2026年7月22日〜23日に開催された、AI DevEx Conference 2026 に現地参加しました。
dev-productivity-con.findy-code.io
2日間を通して、AIや開発生産性に関するさまざまなセッションが行われました。
参加した動機
以下の動機から参加しました。
- 各社がAIをどのように活用し、効果を測っているのかを知りたい
- 開発生産性や組織改善の事例から、自分の仕事に持ち帰れるヒントを得たい
印象に残ったセッション
AIは銀の弾丸ではなく増幅器であり、プラスを増幅させるには目の前の課題に地道に取り組むことが大事、という話は複数のセッションに共通していたように感じました。
ソフトウェア品質と生産性で見るDeNAのAI導入とその効果
www.docswell.com
GitHub上の活動やQAフェーズの不具合を用いて、AI導入後の変化を分析したセッションです。
どのデータからどこまで言えるのかを慎重に切り分けていた分析の進め方や、AI以前からのテストや計測などの開発文化が成果に影響する可能性があるという話が印象に残りました。
AI x 開発生産性を取り巻く予算戦略と投資対効果
speakerdeck.com
AIへの投資を、予算や会計、人事評価まで含めて考えるセッションでした。
特に印象に残ったのが、ソフトウェア開発にかかる人件費が資産計上される場合がある一方、AIツールの利用料は通常、費用として扱われるという話です。
また、経営層はP/LやB/S、事業責任者は工数や工期、開発現場はPR数やリードタイムを見るなど、立場によって「開発生産性」の意味が異なります。会計に疎い自分にとって、AI活用には技術以外の視点も必要なのだと気付かされる内容でした。
ビジネス成果を出すためのDevEx戦略:サーベイの外側にある摩擦の正体
セッションの中では、メトリクスやサーベイだけでなく、実際の仕事を見せてもらうことで、仕事の中にある「摩擦」を発見するという話が特に印象に残りました。例として、たまに失敗するCIが正常に完了するのを待つ時間が、本人が慣れてしまうと気付きにくい摩擦として挙げられていました。
また、開発者がコードを書く時間は全体の14%にすぎないという調査も紹介されていました。こうしたコードの外側にある摩擦にも目を向けなければ、コードを書く部分だけをAIで効率化しても、仕事全体が同じ割合で効率化されるわけではありません。
自分が慣れてしまい、気付けていない摩擦には何があるのだろうと考えさせられましたし、数字を見ることと、実際に仕事をしている人の話を聞くことの両方が大切なのだと感じました。
なぜ優秀なチームであっても意思決定で詰まるのか ― スケールする組織が再現性を失わないための3つの構造
note.com
組織が成長すると、強い個人や合議、一人ひとりの当事者意識に頼るだけでは意思決定が進まなくなります。そこで、次のような仕組みを設計する必要があると話されていました。
- 意思決定を分割し、それぞれで誰が決めるのかを明確にする
- 責任の主体を一人にする
- 自由に判断できる範囲をガードレールとして示す
「会議で決める」という説明に対する「会議体って生きてるんですか?」という問いかけが特に印象に残りました。意思決定の停滞を、個人の能力や当事者意識ではなく、組織の構造の問題として捉える視点が興味深かったです。
2026年のソフトウェア開発を考える
speakerdeck.com
「進化は螺旋であり、構造自体は以前からあった」という話が印象に残っています。AIですべてが変わったのではなく、テストや設計、フィードバックループなど、以前からある構造がAI時代にも重要だという説明でした。
また、AIは開発者の能力を一律に底上げするのではなく、良いものも悪いものも増幅すると話されていました。テストや設計にコツコツ投資してきたチームは、その蓄積をAIでさらに活かせるという話に、少し救われる気持ちになりました。
AIに説明を求めたり質問したりしながら学習すると、学習速度をあまり落とさずに良い結果を得られた、という比較研究も興味深かったです。
会場
食事
お昼にはお弁当が提供されました。それ以外にも、クリスピー・クリーム・ドーナツやコーヒーが用意されていてありがたかったです。
スポンサーブース
多くのスポンサーブースが出展していましたが、今回は体力的にあまり回れませんでした。
会場にはオライリーも出展しており、書籍が10%オフで販売されていました。いくつか本を購入し、Tシャツをいただきました。
終わりに
AI DevEx Conference 2026では、AIと開発生産性について、計測・予算・組織など、さまざまな角度から考える話を聞けました。
来年も開催されれば、また参加したいです。